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はじめてのあかすり体験記|秋の乾燥が来る前に整える、9月の温浴習慣

2026年09月28日

9月の終わり、洗面所の鏡の前で頬に触れたとき、指先にざらつきを感じました。夏のあいだ、あれだけ汗をかいて、あれだけ日焼け止めを塗り重ねた肌。エアコンの風にさらされ続けた肌。よく見ると、ひじや膝も白っぽくくすんでいます。

「これ、放っておくと冬に大変なことになるやつだ」

去年の冬、すねが粉をふいて痒くて眠れなかった夜を思い出しました。あのとき、皮膚科で言われたのは「秋のうちに整えておくといい」ということ。でも、整えるって具体的に何をすればいいのか。保湿クリームは塗っている。それでも足りないとしたら――。

そんなことを考えていたとき、ふと思い出したのが「あかすり」でした。名前は知っている。銭湯のメニュー表で見たことがある。でも、受けたことは一度もない。痛そうだし、恥ずかしそうだし、なんだか上級者向けな気がして、ずっと素通りしてきたメニューです。

この記事は、そんな「あかすり未経験者」だった筆者が、愛知県長久手市の名東温泉花しょうぶで初めてあかすりを体験した記録です。予約から施術、その後の肌の変化まで、実際に感じたことをそのまま書いていきます。同じように気になっているけれど一歩を踏み出せずにいる方の、背中を押せたら嬉しいです。

9月末の休日、思い立って予約を入れる

まず調べたのは、あかすりがどういうメニューなのかということでした。

そこでわかったのは、いくつかのコースがあるということ。全身をまるごと施術するコース、上半身や下半身だけの部分コース、そしてあかすりにオイルマッサージやパックを組み合わせたコース。所要時間も30分程度のものから60分を超えるものまで幅があります。初回なら、まずは標準的な全身コースで様子を見るのがよさそうです。

もうひとつ気になったのが「予約が必要か」という点。施術系のメニューは担当スタッフの人数に限りがあるため、休日は埋まりやすいと聞きます。土日祝に確実に受けたい場合は、事前に施設へ問い合わせておくのが安心です。筆者は念のため、来館前に電話で空き状況を確認してから向かいました。

そして当日。9月末の土曜日、午後2時。窓を開けると、8月とは明らかに違う乾いた風が入ってきました。湿度が下がり始めている。肌にとっては、まさに正念場が近づいているタイミングです。

車で施設へ向かう道すがら、街路樹の色がわずかに変わり始めているのに気づきました。長久手市周辺は緑が多く、季節の変化がはっきり見える土地です。名古屋市名東区や尾張旭市にお住まいの方にとっても、車で気軽に足を運べる距離感でしょう。

そもそも「あかすり」とは何をするのか|垢の正体と施術の歴史

肌のターンオーバーは約4〜6週間

施術を待つあいだ、そもそも「あか」とは何なのかを整理しておきましょう。ここを理解しておくと、あかすりへの心理的なハードルがぐっと下がります。

人間の皮膚のいちばん外側は「角質層」と呼ばれる層で、厚さは約0.02ミリ。ラップフィルム程度の薄さしかありません。この角質層は、死んだ細胞(角化細胞)が煉瓦のように積み重なってできています。「死んだ細胞」と聞くと不要なもののように思えますが、実はこの層が体内の水分蒸発を防ぎ、外部の刺激や細菌の侵入を防ぐ、きわめて重要なバリアとして働いています。

皮膚の細胞は、いちばん奥の基底層で生まれ、少しずつ押し上げられながら形を変え、最終的に角質となって表面に到達し、やがて剥がれ落ちます。この一連のサイクルが「ターンオーバー」で、健康な成人ではおよそ4〜6週間とされています。

ここで問題になるのが、このサイクルの乱れです。加齢、紫外線ダメージ、乾燥、睡眠不足、栄養の偏り――こうした要因でターンオーバーが遅れると、本来剥がれ落ちるはずの角質が皮膚の表面に留まり続けます。これが積み重なると、肌はごわつき、くすみ、化粧水の浸透も悪くなる。これがいわゆる「古い角質」の状態です。

夏を越えた9月の肌は、この状態になりやすい条件がそろっています。強い紫外線を浴び続けたこと、大量の発汗と皮脂分泌、そしてエアコンによる慢性的な乾燥。表面はべたつくのに内側は乾いている、という厄介な状態に陥りがちです。

あかすりは、この滞留した角質を物理的に取り除く施術です。ルーツは韓国の「때밀이(ттемiri)」にあり、公衆浴場文化とともに発展してきました。日本でも1990年代以降、スーパー銭湯や健康ランドのメニューとして広く普及しています。

ここで大事なのは、あかすりは「垢を落とす」というより「古くなった角質層の一番上をならす」施術だということです。健康なバリア機能まで削り取ってしまってはいけません。だからこそ、自己流でゴシゴシこするのではなく、専門のスタッフに任せる意味があります。

施術前の下ごしらえ|炭酸泉と岩盤浴で角質をゆるめる15分

受付を済ませると、スタッフの方から「まずしっかり湯に浸かって、体を温めてから来てください」と案内されました。これは形式的な案内ではなく、施術の質を左右する重要な準備です。

理由は、角質層の性質にあります。乾いた角質は硬く、皮膚にしっかり張り付いています。この状態でこすっても、うまく取れないばかりか、余計な摩擦で肌を傷めてしまう。ところが水分を含んだ角質は柔らかくふやけ、下の層との結びつきがゆるみます。つまり、十分に温まって皮膚を潤わせておくことが、痛みなくきれいに角質を落とすための前提条件なのです。

そこで筆者が選んだのが炭酸泉でした。炭酸泉は二酸化炭素が溶け込んだお湯で、CO2が皮膚から吸収されて末梢血管を広げるため、38℃前後のぬるめの温度でも体の芯まで温まります。高温の湯で急いで温めるより、ぬるい湯でじっくり15分。このほうが皮膚がしっとりと水分を含み、角質がふやけやすくなります。

湯船の中で、ひじの内側をそっと触ってみました。入る前はカサついていた部分が、ぷっくりと柔らかくなっている。角質が水を吸っている手応えです。

時間に余裕があれば、岩盤浴を挟むのもおすすめだと聞きました。40〜45℃前後の温められた石の上に横になり、じんわりと汗をかく。サウナのような急激な熱刺激がないぶん、体への負担が穏やかで、汗腺から出た汗が角質をさらにやわらかくしてくれます。筆者はこの日、炭酸泉15分のあと、岩盤浴を15分ほど。合計30分の下ごしらえを経て、施術台へ向かいました。

いよいよ施術台へ|想像と違った「痛くない」あかすり

入浴で温めると角質がやわらかくなる

個室に通され、施術台にうつ伏せになります。最初に感じたのは、思っていたより緊張しないな、ということでした。スタッフの方が淡々と、しかし穏やかに手順を説明してくださるので、身を委ねる気持ちになれます。

施術が始まりました。背中から。

専用のミトンを使い、一定のリズムで、上から下へ。想像していたのは「ゴシゴシと力任せにこすられる」感覚でしたが、実際はまったく違いました。力は強すぎず、しかし確実に何かが取れている感触があります。表現するなら、消しゴムを軽くかけているような、ちょうどよい摩擦感。

「痛くないですか?」と何度か声をかけていただきました。この確認があるのは大きな安心材料です。痛みや違和感があればその場で伝えれば、力加減を調整してもらえます。実際、筆者は肩甲骨のあたりだけ少しくすぐったかったので伝えたところ、すぐに手の動きが変わりました。

驚いたのは、施術の途中で目にした光景でした。ミトンの表面に、灰色がかった細かいものがぽろぽろと現れてくるのです。これが角質。自分の体からこれだけのものが出てくるのかと、少し衝撃を受けました。同時に、これが肌の上に留まっていたのだと思うと、化粧水の浸透が悪かった理由にも納得がいきます。

背中が終わると、腕、脚、そして仰向けになって前面へ。所要時間はおよそ40分。うつ伏せの時間が長いので、途中でうとうとしかけたほどでした。

気をつけるべきポイントとして教わったのは、デリケートな部位や顔には基本的に施術を行わないということ。顔の角質層は体より薄く、同じ方法でこするのは不適切です。また、日焼け直後の肌、傷や湿疹のある部位、アトピー性皮膚炎などで皮膚が弱っている場合も施術を避けるべきとされています。この線引きがきちんとされているのは、プロに任せる大きな利点だと感じました。

施術後の肌|つるつるの正体と、失われたものへの理解

施術後、シャワーで流して立ち上がった瞬間の感想は、単純に「軽い」でした。

腕をなでると、抵抗なく指がすべります。ひじも、膝も、かかとも。特にかかとは、それまで指が引っかかっていたのが嘘のように滑らかになっていました。鏡で見ると、肌の色そのものが明るく見えます。くすみの正体が角質だったのだと、視覚的にわかる変化でした。

ただし、ここで浮かれてはいけないことも同時に理解しておく必要があります。

角質を落とすということは、皮膚のバリア機能を担っていた層の一部を取り除いたということでもあります。施術直後の肌は、いわば無防備な状態。ここでケアを怠ると、かえって乾燥が進んでしまう可能性があります。

実際、スタッフの方からも「今日はしっかり保湿してくださいね」と念を押されました。あかすりは「落として終わり」ではなく「落としてから整える」までが一連の流れなのです。

あかすり後の48時間が肝心|秋の乾燥に負けない肌のつくり方

あかすり後は5分以内の保湿が重要

ここからが本題かもしれません。施術後のケアで、あかすりの価値は大きく変わります。

その1|施術直後、体が乾く前に保湿する
湯上がりの肌は、水分が蒸発していく途中の状態です。タオルで軽く水気を押さえたら、5分以内に保湿剤を塗るのが基本。ローションで水分を与え、その上からクリームやオイルで蓋をする。この二段構えが効果的です。角質が薄くなっているぶん、化粧水の浸透は普段より良くなっているはずです。

その2|当日と翌日は刺激を避ける
施術後24〜48時間は、肌が敏感になっています。強い日差しに長時間あたること、ナイロンタオルでゴシゴシ洗うこと、アルコール度数の高い化粧品を使うことは避けてください。特に紫外線対策は重要で、角質が薄くなった状態では日焼けしやすくなっています。

その3|洗いすぎない
「せっかくきれいになったから」と、翌日から念入りに体を洗いたくなりますが、これは逆効果。石けんの泡でやさしく洗い、こすらないこと。回復しつつある角質層を、また削ってしまっては元も子もありません。

その4|体の内側からも水分を
皮膚の水分は、体内の水分状態に左右されます。1日を通してこまめに水分をとること。また、細胞膜の材料となる良質な脂質(青魚、ナッツ、オリーブオイルなど)や、皮膚の材料となるたんぱく質を意識して摂ることも、遠回りのようで確かな肌ケアになります。

その5|湯温を上げすぎない
秋が深まると、つい熱い湯に入りたくなります。しかし42℃以上の湯は皮脂を過剰に洗い流し、乾燥を招きます。日常の入浴は38〜40℃程度に抑えるのが、肌にとっては優しい選択です。

筆者の場合、施術当日の夜と翌朝、いつもの倍の量のボディクリームを塗り込みました。結果、3日経っても指先に触れる肌はなめらかなまま。去年の秋に感じていた「なんとなくのざらつき」が、きれいに消えていました。

どのくらいの頻度で通えばいい?|季節別のおすすめペース

いちばん気になるのが頻度でしょう。「毎週通えばもっときれいになるのでは」と考えたくなりますが、それは誤りです。

先に述べたとおり、皮膚のターンオーバーはおよそ4〜6週間。この周期より短い間隔であかすりを繰り返すと、まだ役目を終えていない角質まで剥がしてしまうことになります。結果、バリア機能が低下し、乾燥・かゆみ・赤みといったトラブルを招きかねません。

一般的な目安としては、月に1回程度、多くても3週間に1回までと考えるのが安全です。もともと肌が乾燥しやすい方、年齢とともにターンオーバーが遅くなっている方は、1〜2か月に1回のペースでも十分でしょう。

季節による調整も有効です。

  • 春(3〜5月):冬の乾燥で溜まった角質をリセットする時期。花粉で肌が荒れている場合は、落ち着いてから
  • 夏(6〜8月):汗と皮脂が多く代謝も活発なため、間隔は空けめでよい。日焼け直後は避ける
  • 秋(9〜11月):夏のダメージをリセットし、冬に備える最適期。この記事のテーマもここ
  • 冬(12〜2月):乾燥が最も厳しい季節。頻度を落とし、施術後の保湿を徹底する

つまり9月から10月は、一年のなかでもあかすりの効果を実感しやすく、かつ次の季節への備えとしても意味が大きいタイミングと言えます。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. あかすりは痛いですか?
A. 十分に体を温めて角質がふやけた状態であれば、痛みを感じることはほとんどありません。もし痛みや強い違和感があれば、我慢せずその場でスタッフにお伝えください。力加減を調整してもらえます。逆に、温まりが不十分なまま施術を受けると摩擦を強く感じやすくなるため、事前の入浴は必ず行ってください。

Q2. 肌が弱いのですが、受けられますか?
A. アトピー性皮膚炎、乾癬、日焼け直後、傷や湿疹がある場合は施術を避けるべきです。また、皮膚疾患で治療中の方は、事前に主治医にご相談ください。軽度の乾燥肌程度であれば受けられることが多いですが、受付時にその旨をお伝えいただくと、力加減や施術範囲を配慮してもらえます。

Q3. 施術のあいだ、何を着るのですか?
A. 施設によって異なりますが、専用の下着や紙製のショーツが用意されているのが一般的です。詳しくは受付時にご確認ください。個室または仕切られたスペースでの施術となるため、周囲の視線が気になることはありません。

Q4. 予約は必要ですか?
A. 施術スタッフの人数に限りがあるため、特に土日祝は事前のご予約・お問い合わせをおすすめします。名東温泉花しょうぶの受付やお電話で、当日の空き状況をご確認いただけます。

Q5. あかすりと、自分でナイロンタオルでこするのは何が違いますか?
A. 大きく2点あります。ひとつは力加減。自己流では「取れている感覚」を求めて力を入れすぎ、必要な角質まで削ってしまいがちです。もうひとつは範囲の均一さ。背中や肩甲骨まわりは自分では届きにくく、逆にすねやひじなど届きやすい部位だけを過剰にこすってしまう。プロの施術は、全身をむらなく、適切な圧で行えるのが利点です。

Q6. 施術後、すぐにサウナや岩盤浴に入っても大丈夫ですか?
A. 施術直後の肌は敏感になっているため、当日は高温のサウナを長時間利用することは避けたほうが無難です。どうしても入りたい場合は、施術の「前」に済ませておくのが賢い順番です。施術後は保湿を優先し、体を休めることをおすすめします。

Q7. 男性でも受けられますか?
A. はい。あかすりは女性向けというイメージがあるかもしれませんが、男性の利用者も少なくありません。男性は皮脂分泌が多く、背中の角質が溜まりやすい傾向があるため、むしろ相性がよいメニューとも言えます。

まとめ|9月の肌に、ひと手間かけるという選択

あかすりを受けてみて、いちばん強く思ったのは「もっと早くやればよかった」ということでした。

痛くない。恥ずかしくない。そして何より、施術後の肌の変化がはっきりわかる。保湿クリームを何本使っても届かなかった「ざらつき」の正体が、実は落とすべき角質だったのだと、体感として理解できたことが大きな収穫でした。

大事なのは、あかすりが「特別な贅沢」ではなく、季節の変わり目のメンテナンスだと捉えることです。夏に受けたダメージを持ち越したまま冬に突入すれば、粉をふく肌、かゆみで眠れない夜が待っています。9月のうちに一度リセットしておけば、その先の数か月が楽になる。

そして、あかすりは単独では完成しません。炭酸泉でしっかり温めて角質をゆるめ、施術で古い角質を落とし、直後の保湿で新しいバリアを守る。この三段階がそろって初めて、効果が持続します。温浴施設で受ける意味は、まさにここにあります。

愛知県長久手市の名東温泉花しょうぶは、炭酸泉、露天風呂、岩盤浴、サウナ、あかすりを備えた総合温浴施設です。長久手市はもちろん、名古屋市名東区、尾張旭市、日進市などからもお越しいただいています。

秋の乾燥が本格化する前に、肌にひと手間。この秋の休日の過ごし方として、あかすりという選択肢を思い出していただけたら幸いです。

※本記事は筆者の体験に基づく一般的な情報提供であり、効果には個人差があります。皮膚疾患をお持ちの方、治療中の方は、事前に主治医にご相談ください。コース内容・料金・営業時間などの詳細は、施設へ直接お問い合わせください。

入浴料

一般 会員
大人・中学生 平日 820円 770円
土・日・祝 920円 870円
子供(4歳以上)
※3歳以下は無料
全日 350円

美汗房

大人・中学生 750円

子供(4歳以上)

350円
※別途入浴料が必要となります。
※3歳以下のお子様はご利用できません。

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