冷え性の科学|霜降から始める温活――血流と深部体温を整える温泉の入り方
10月も下旬になると、二十四節気では「霜降(そうこう)」を迎え、朝晩の冷え込みがいっそう深まります。「最近、手足の先が冷たくて眠れない」「靴下をはいても足が温まらない」「肩こりや腰のだるさが増えてきた」――そんな変化を感じ始めている方も多いのではないでしょうか。
冷えは病名ではありませんが、多くの方が悩んでいる身近な不調です。特に女性や、運動量が減りがちな中高年の方、デスクワーク中心の方に多いといわれています。そして、冷えを「寒い季節だから仕方ない」とそのままにしておくと、睡眠の質の低下や、こり、だるさなど、日々のコンディションにも影響しかねません。
今回は、本格的な冬を前に知っておきたい「冷え」のメカニズムを、体温調節や血流の観点からやさしく解説します。あわせて、愛知県長久手市の名東温泉花しょうぶの炭酸泉・岩盤浴・露天風呂・サウナを活用した「温活」のコツもご紹介します。今年の冬を、ぽかぽかと快適に過ごすための準備を始めましょう。
なぜ秋から冷えを感じるのか|体温調節のしくみ
私たちの体は、外の気温が変わっても、体の中心部の温度(深部体温)をおよそ37℃前後に保つように調節されています。この調節を担っているのが、脳の視床下部を司令塔とする自律神経のはたらきです。
気温が下がると、体は大切な内臓や脳の温度を守るため、皮膚や手足の血管を収縮させて、体の表面から熱が逃げるのを防ごうとします。その結果、手足の先に流れる血液の量が減り、指先やつま先が冷たく感じられるのです。つまり、手足の冷えは、体が熱を守ろうとする自然な防御反応の結果でもあります。
秋は、日中と朝晩の気温差が大きく、この「血管を縮める・広げる」という調整が一日に何度も繰り返されます。自律神経に負担がかかりやすく、うまく切り替えられなくなると、寒くないはずの室内でも手足が冷えたままになったり、逆にのぼせを感じたりすることがあります。
また、夏のあいだに冷房の効いた部屋で長く過ごしたり、冷たい飲み物をたくさんとったりした影響が、秋になってから「だるさ」や「冷え」として表れることもあります。季節の変わり目の今こそ、体のリズムを整え直すよいタイミングといえるでしょう。
冷え性のタイプと、体にあらわれるサイン
一口に「冷え」といっても、その感じ方や原因は人によってさまざまです。一般的には、次のようなタイプに分けて考えられることがあります。
① 末端冷えタイプ:手足の先が特に冷たく感じるタイプ。血管の収縮が強く起こりやすい方や、筋肉量が少なめの方に多いとされます。
② 下半身冷えタイプ:上半身はほてるのに、腰から下や足が冷えるタイプ。長時間座りっぱなしの生活で、下半身の血流が滞りやすい方にみられやすいといわれます。
③ 内臓冷えタイプ:手足はそれほど冷たくないのに、お腹まわりがひんやりするタイプ。体の表面は温かく感じても、体の中心部の熱がうまく保てていない状態と考えられます。
④ 全身冷えタイプ:一年を通して寒がりで、体全体が冷えやすいタイプ。食事量が少ない、運動不足、睡眠不足など、生活習慣全体が関わっていることが多いとされます。
冷えのサインとしては、手足の冷たさのほかに、寝つきが悪い、肩や首がこりやすい、朝起きるのがつらい、お腹の調子が崩れやすい、顔色がすぐれないなどが挙げられます。「なんとなく不調」の背景に、冷えが隠れていることも少なくありません。
なお、強い冷えが続く、しびれや痛み・皮膚の色の変化を伴う、急に寒がりになった、体重が大きく変化したといった場合は、甲状腺の病気や貧血、血管の病気などが関係していることもあります。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診しましょう。
「血流」と「深部体温」がカギ|温活の基本知識

冷え対策、いわゆる「温活」を考えるうえで押さえておきたいのが、「血流」と「深部体温」という二つのキーワードです。
血液は、酸素や栄養を運ぶだけでなく、体の中でつくられた熱を全身に届ける「熱の運び屋」でもあります。体の熱の多くは、筋肉や肝臓などの臓器でつくられ、血液の流れに乗って手足の先まで運ばれます。つまり、血の巡りがよくなれば、手足の先まで温かさが届きやすくなるのです。
もう一つの「深部体温」は、眠りとも深く関わっています。人の体は、夜になると手足から熱を逃がして深部体温を少しずつ下げることで、自然な眠気が訪れるしくみになっています。赤ちゃんが眠くなると手足が温かくなるのは、まさにこの放熱のサインです。
ところが、冷え性の方は手足の血管が縮こまっているため、うまく熱を逃がせず、深部体温がなかなか下がりません。その結果、「布団に入っても手足が冷たくて眠れない」という悪循環が起こります。就寝の1〜2時間前にお風呂で体を温めておくと、一時的に上がった深部体温が下がるタイミングで眠りにつきやすくなるといわれているのは、このためです。
温活の基本は、「熱をつくる(筋肉・食事)」「熱を運ぶ(血流)」「熱を逃がさない(服装・生活環境)」の三つをバランスよく整えること。その中でも入浴は、血流を促して体を内側から温める、手軽で効果的な方法のひとつです。
炭酸泉が冷えに向いている理由|ぬるめでも温まる科学

冷え対策のお風呂として特におすすめなのが、炭酸泉です。炭酸泉では、お湯に溶け込んだ二酸化炭素が皮膚から吸収され、皮膚の毛細血管を広げる作用があると考えられています。血管が広がることで血流が増え、ぬるめのお湯でも体がしっかり温まるのが大きな特長です。
冷え性の方の中には、「しっかり温まろう」と42℃以上の熱いお湯に入る方もいますが、熱すぎるお湯は交感神経を刺激し、かえって血管が縮みやすくなることがあります。また、急な温度変化は血圧の変動を招きやすく、体への負担も大きくなります。一方、38〜40℃程度のぬるめのお湯は、副交感神経が優位になりやすく、血管がゆるんで血流が促されるため、体の芯までじんわり温まりやすいのです。
炭酸泉は、このぬるめの温度帯でも温まりやすいのが魅力です。10〜15分ほどゆっくり浸かると、湯上がりに手足の先までぽかぽかとした感覚が続くのを実感される方も多いでしょう。入浴中に肌に細かな泡がつく様子も、炭酸泉ならではの楽しみです。
入浴中は、手足の指をグーパーと動かしたり、足首を回したりすると、末端の血流がさらに促されます。湯上がりはすぐにタオルで水気をふき取り、体が冷えないうちに衣類を身につけるのが、温かさを長持ちさせるコツです。
岩盤浴・露天風呂・サウナを組み合わせた温活プラン
名東温泉花しょうぶでは、炭酸泉だけでなく、岩盤浴や露天風呂、サウナを組み合わせることで、さまざまな角度から体を温めることができます。
岩盤浴は、温められた石の上に横になり、背中やお腹からじんわりと熱を受け取る温浴法です。お湯の水圧がかからないため体への負担が少なく、特に冷えやすいお腹や腰まわりを直接温められるのが魅力です。内臓冷えタイプや下半身冷えタイプの方は、うつ伏せでお腹を温める時間を少し長めにとってみてください。
露天風呂では、晩秋のひんやりとした外気と温かいお湯のコントラストを楽しめます。顔や頭は涼しく、体は温かいという状態は、のぼせにくく長く浸かりやすいのが利点です。夜空を見上げながら深呼吸すると、心身ともにほぐれていきます。
サウナは、短時間で体を大きく温めることができますが、冷え性の方は水風呂で体を冷やしすぎないよう注意が必要です。水風呂はごく短時間にとどめるか、ぬるめのシャワーで代用し、外気浴でゆっくり呼吸を整えましょう。最後はサウナや水風呂ではなく、炭酸泉や内湯で温まって締めくくるのが、湯冷めを防ぐポイントです。
【おすすめ温活プラン(約90分)】
1. 水分補給のあと、かけ湯で足元から体を慣らす
2. 炭酸泉で10〜15分、手足の指を動かしながら温まる
3. 岩盤浴でうつ伏せ5〜10分、あおむけ10分。休憩をはさんで1〜2セット
4. 露天風呂で5分ほど、晩秋の空気を感じながらリラックス
5. 仕上げに炭酸泉で5分。湯上がり後はすぐに体をふいて保温
今日からできる温活習慣|食事・運動・服装のポイント

温泉で体を温めるだけでなく、日々の生活の中で冷えにくい体づくりを意識すると、温活の効果はさらに高まります。
食事:体の熱は、食事をとることでもつくられます。特に、たんぱく質は食後の熱産生が比較的大きい栄養素といわれています。肉や魚、卵、大豆製品などを毎食とり入れましょう。朝食を抜くと体温が上がりにくくなるので、温かい汁物やスープを取り入れた朝ごはんがおすすめです。しょうがやねぎ、根菜類など、秋冬の食材を使った温かい料理も積極的に楽しみたいですね。
運動:筋肉は体の中で大きな熱の発生源です。特に、太ももやお尻など下半身の大きな筋肉を動かすと、効率よく熱をつくることができます。ウォーキングや階段の上り下り、スクワット、かかとの上げ下げなど、無理のない運動を習慣にしましょう。デスクワークの合間に足首を回すだけでも、下半身の血流を促すのに役立ちます。
服装:首・手首・足首の「三つの首」は、皮膚の近くを太い血管が通っているため、ここを温めると効率よく体を保温できるといわれています。ストールやレッグウォーマーなどを上手に使いましょう。また、腹巻きなどでお腹まわりを冷やさないことも大切です。
睡眠:就寝の1〜2時間前の入浴を習慣にし、寝る前のスマートフォンは控えめに。寝室を適度に暖かく保ち、厚手の靴下をはいたまま寝るよりも、寝る前に足を温めておくほうが放熱を妨げにくいとされています。
見落としがちな「隠れ冷え」の原因
冷えの原因は、気温の低さだけではありません。日常生活のなかに、知らず知らずのうちに体を冷やしている習慣が潜んでいることもあります。
たとえば、長時間同じ姿勢で座り続けること。ふくらはぎの筋肉は、縮んだりゆるんだりすることで足の血液を心臓へ押し戻す「ポンプ」の役割を果たしており、「第二の心臓」とも呼ばれます。座りっぱなしでこの筋肉が動かないと、下半身の血流が滞り、足先の冷えやむくみにつながりやすくなります。30分〜1時間に一度は立ち上がって歩いたり、かかとの上げ下げをしたりするだけでも違います。
また、ストレスや緊張も冷えと深く関わっています。緊張すると手が冷たくなるという経験をお持ちの方も多いでしょう。これは、ストレスによって交感神経が優位になり、手足の血管が縮むためです。忙しさやプレッシャーが続くと、体は常に「緊張モード」になり、冷えやすい状態が続いてしまいます。深呼吸や趣味の時間、温泉でのんびりする時間など、意識的に心と体をゆるめる時間をつくることも、立派な温活のひとつです。
さらに、体を締めつける衣類や、薄着での外出、冷たい飲み物のとりすぎなども、冷えを招く原因になりがちです。秋口はまだ日中が暖かいため油断しやすいのですが、朝晩の外出時には一枚羽織るものを持ち歩き、飲み物は常温か温かいものを選ぶと安心です。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 冷え性ですが、熱いお湯のほうが温まる気がします。
A. 熱いお湯は一時的に「温まった」と感じやすいものの、交感神経が刺激されて血管が縮みやすく、湯上がりに急に冷えることもあります。38〜40℃程度のぬるめのお湯に10〜15分ほど浸かるほうが、温かさが長続きしやすいとされています。
Q2. 冷え性の人はサウナと水風呂を避けたほうがいいですか?
A. 体調がよければ楽しんでいただけますが、水風呂で冷えすぎないよう、短時間にとどめるかシャワーで代用するのがおすすめです。最後は温かいお湯で締めくくりましょう。
Q3. 温泉に行く頻度はどのくらいがいいですか?
A. 決まった目安はありませんが、週に1〜2回、ゆっくり温まる時間をつくると、生活のリズムにもメリハリが生まれます。ご自宅でのぬるめの入浴と組み合わせるのもよいでしょう。
Q4. 湯冷めしないコツはありますか?
A. 湯上がりはすぐに水気をふき取り、髪もしっかり乾かしましょう。首元や足首を覆う服装で帰宅し、帰宅後は温かい飲み物で水分補給するのがおすすめです。
Q5. 手足の冷えがとても強く、しびれもあります。
A. しびれや痛み、皮膚の色の変化を伴う冷えは、血管や神経、ホルモンの病気が関係している場合があります。温活を始める前に、まずは医療機関にご相談ください。
まとめ|冬本番の前に「温まる体」をつくろう
冷えは、気温が下がったときに体が熱を守ろうとする自然な反応が、うまく切り替わらなくなった状態ともいえます。大切なのは、「熱をつくる」「熱を運ぶ」「熱を逃がさない」の三つを意識して、冷えにくい体と生活リズムを整えていくことです。
ぬるめの炭酸泉で血流を促し、岩盤浴でお腹や腰を内側から温め、晩秋の露天風呂で深呼吸する――名東温泉花しょうぶでの温浴時間は、忙しい毎日の中で自分の体と向き合う大切なひとときになります。長久手市・名古屋市東部・尾張旭市周辺にお住まいの皆さま、本格的な冬が来る前に、ぜひ温活を始めてみませんか。
ぽかぽかの体で、冬を元気に迎えましょう。名東温泉花しょうぶで、皆さまのお越しを心よりお待ちしております。
※本記事は一般的な健康情報をお伝えするものであり、医学的な診断や治療に代わるものではありません。持病のある方、妊娠中の方、体調に不安のある方は、医師にご相談のうえご利用ください。











